出入国在留管理庁のHPで昨年(2023年)の難民認定者数等が公表された。昨年は過去最多の303人が難民認定された。うち名古屋入管管内の認定者数は35人で、当職の依頼者は25人が難民認定された。過去最多の認定数だった2021年の74人、同じく2022年の202人、そして昨年の303人と3年連続で過去最多の認定数を記録し、認定された方の出身国の種類が増えたことを喜びたい。
他方で新型コロナウィルスの感染拡大の影響があって、2020年から2022年まで3000人前後にとどまっていた難民申請者数は、昨年1万3823人に増加した。難民申請者の急増に支援が追い付かず、ホームレス状態に置かれている申請者に関する報道もあった。タリバンの支配が続くアフガニスタン、内戦状態にあるミャンマー、終わりが見えないウクライナ戦争、昨年軍事衝突が勃発したスーダンやパレスチナなど、緊張の続く国際情勢からすれば、今後も難民申請者は増加し続ける可能性が高い。
また、ロヒンギャの難民申請者の3回目の難民申請に対する不認定処分を違法として取り消した2024年1月25日の名古屋高裁判決からも明らかなように、現在も難民として保護すべき者が適切に保護されているとはいえない。
申請者の増加に対応し、さらに多くの難民が適切に保護されることを期待したい。
Yasuyuki Nagai
Advogado japonês em Nagoya
※2024年7月9日に名古屋入管管内の認定者数を追記。